盆休みのカナダ旅行から帰ってきて、山行といえば9月の佐渡島金北山(1171.9m)くらいのもので身体が山を求めていた。10月には一泊二日の休みが取れそうだったので今住んでいる栃木から行ける関東近郊の山域を幾つか調べ、まだ足を踏み入れたことのない奥秩父から雲取山を経由し奥多摩へ抜けるルートを歩くことに決めた。紅葉にはまだ少し早いが、うまくいけば冠雪した富士山を拝めるかと睨んでの決定である。
就職してから3年間北海道に住んでいたこともあり、この時期標高2000m前後の山でテント泊するための装備はどうしようかと少し考えたが結局ほぼ夏のカナダと同じ装備にした。替えたものと言えば火器をガスからエスビットにしたくらいでウエア、寝袋などはそのままである。
もともと手持ちの寝袋はハイカーズデポの夏季用化繊キルトとドイター冬季用シュラフという両極端な選択肢しかなかったため、カナダの時は両方持って行き、山に入る際はドイターを平場のテントサイトでキャンプする時はキルトという風に使い分けたわけである。今回は移動手段が電車でありザックは山と道ミニなのでドイターのみにした。
結果からいうと山頂直下の避難小屋が貸切りのだったためテントには止まらず避難小屋で一泊したのだが、初日の雨で濡れた身体は驚くほど冷え切っておりドイターのシュラフにして正解だったと思う。
行程が前後したが栃木の最寄り駅を出たのが朝7時。そして登山口となる三峰神社に着いたのが11時半と、およそ4時間半かかった。栃木と埼玉、隣接してるといえやはり遠かった。
朝、電車に乗る前はまだ降っていなかった雨も登山口に近づくにつれ本降りとなり、登山口に着いた頃には横なぶりの雨となった。しかし、天気予報では夜から雲がとれ明日は晴れの予報となっていたため、その期待を胸に歩き始めた。今回は森林限界より下を歩くルートのため傘を差し、カッパはズボンだけにしてジャケットはザックカバーとしてザックにくくり付けた。上半身はカッパの代わりにパタゴニアのナイントレイルジャケットというウインドシェルを羽織った。カッパを着ても結局歩き始めると身体から出る熱と汗で濡れてしまうため、僕はなるべくカッパを着ないようにしている。今回もこのウエアリングでいけるはずだったが想像以上に早くウインドジャケットの撥水効果が落ち、結果、外と内の両方から濡れてしまい後々寒い想いをする事となった。
このコースは要所要所で避難小屋があり雨の日でもザックを下ろしてゆっくり休憩できるのは助かった。
また来たい、そう思わせる良き山であった。